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Synthesizer V Studio 1.9.0b1 アップデート: ラップ、広東語への対応ほか

Synthesizer V Studio 1.9.0b1を公開いたしました。

今回のアップデートでは、ラップボーカル合成機能の導入、また広東語の多言語歌唱合成を体験できるようになりました。

今回は大型のアップデートとなる為、ベータ版としてリリースいたします。

 

ラップの歌声合成では、既存機能にシームレスに統合された本格的なラップボーカルを生成できます。

また、簡易ピッチモードをリニューアルし、より細かなピッチの自動調整が可能になりました。

 

さらに、多言語歌声合成機能では発音を改善した歌声データベースのアップデートや、最新かつラップ対応の歌声データベースであるRitchy、D-Linの機能限定版をご用意いたしました。詳しい内容は下記をご覧ください。

 

歌声合成のラップ対応

Synthesizer V Studioのバージョン1.9.0では、本格的なラップボーカルを作成できるようになりました。
ピッチの自動調整に、新たに「ラップ」モードが搭載されました。アップデート後に、パラメータパネルにラップのインターフェースが追加されます。
ラップモードに切り替えることで、ラップのイントネーションを正確かつ簡単にコントロールすることが可能です。

 

 

「ラップ」モードの導入により、AIリテイク、ボーカルスタイル、多言語歌声合成といった既存の機能と組み合わせて、ラップボーカルのカスタマイズができるようになりました。

ラップと歌のモードを簡単に切り替えられるほか、ラップの歌詞を1曲の中で複数の言語とミックスして使用することも可能です。

現在のところ、ラップボーカルは英語と中国語のみ対応しておりますが、今後のアップデートでは日本語の対応も予定しています。

また、このラップ機能は、ヒップホップのジャンルに特化している歌声データベース「Ritchy」、「D-Lin」だけでなく、「ラップ」モードを通して、既存の歌声データベースでもご利用いただけます。

 

簡易ピッチモードの改善

1.6.0から搭載された簡易ピッチモードは、自動ピッチ調整を大幅に拡張し、よりリアルな歌唱表現を可能にするものでした。
しかしこの機能では、細かいピッチカーブの調整を手動で行いにくい問題点がありました。

 

 

バージョン1.9.0では、この問題を解決するため、簡易ピッチモードをプロジェクト全体のオプションから、ノートごとのオプションへと変更しました。

 

「ラップ」モードが追加されたことで、各ノートで「マニュアル」、「歌唱」、「ラップ」の3つのモードを選択できます。

 

歌唱、ラップのモードでは、予め簡易ピッチモードの機能が搭載された状態となりました。
歌唱、ラップのどちらかでプロジェクトを開始し、調整が必要なノートのみマニュアルモードに切り替えて調整することができます。
もちろん、1曲の中で全てのモードを使用する事も可能です。

 

自動ピッチ調整のオプション強化

ピッチ作成のワークフローをよりシンプルにするため、DreamtonicsではAIによる自動ピッチ調整の柔軟性を高める、より直接的な編集アプローチについても模索しています。今回のベータ版アップデートをインストールすると、「歌唱」モードの下に「ビブラートの強度」オプションが追加され、AIが生成するビブラートの深さを正確にコントロールすることが可能になりました。ビブラートのタイミングをより細かく調整したい場合は、パラメータパネルにある「ビブラートエンベロープ」をご利用ください。

 

 

Diffusion Model(拡散モデル)を活用したAIによる最新の自動ピッチ調整は、音に入る部分で微妙にピッチを下げるなど、即興的なテクニックを得意としています。しかし、場合によっては音の中心に近いストレートな表現が求められることもあります。そのため、グループやトラック単位でAIによる調整を無効にするオプションを歌声パネルに搭載し、ユーザーのニーズに合わせて自由な音楽表現ができるようになりました。

 

広東語が多言語歌声合成に対応

Synthesizer V Studioの最新機能として、広東語への対応が実現しました。2月28日に予告映像が公開されたのち、貴重なフィードバックを参考に、発音をより洗練させることでユーザー体験の向上を目指しました。

 

言語を広東語に設定すると、中国語の歌詞はすべて広東語の発音になります。歌詞の読み間違いが発生した場合は、ローマ字表記を直接入力することで修正することができます。音素は北京語をベースにしていますが、広東語特有の音素もいくつか取り入れました。

 

これらのアップデートに加えて、多言語機能の全般的な改良を行い、外国語の歌唱でよりネイティブスピーカーに近い正確な発音ができるようになりました。Dreamtonicsでは、歌声合成の分野における言語的および声楽的な多様性を促進し、Synthesizer V Studioがすべてのユーザーにとって分かりやすく汎用性の高いツールであり続けることを保証するため、今後もこういった取り組みを継続してまいります。

 

ラップに対応した歌声データベース

ラップボーカルに最適な2つの歌声データベースを紹介します。

 

まず、ヒップホップアーティストであるMBanja Ritchy a.k.a. B-Bandjの声をもとにしたラップAI音声データベース「Ritchy」。
また、Ritchyと比較して高い音域と明るいトーンを実現したラップAI歌声データベース「D-Lin」(収録言語:中国語)。

 

この2つの歌声は現在開発中ですが、いち早く皆様にお届けしたいという想いから無料でお使い頂ける「機能限定版(Feature-Limited Trial/FLT)」をご用意いたしました。機能限定版は、製品版と同じ「音質優先レンダリングモード」の利用が可能です。その他、以下の制限がございます。

 

  • それぞれの機能限定版では、最大1トラックまでの作成が可能です。
  • エクスポート:出力は最初の45秒までに限定されます。
  • AIリテイク:ピッチリテイクのみとなります。
  • ボーカルスタイルと多言語機能:オプションが限定されています。
  • スタンダードエディタのみご利用可能です。
  • 商用利用は不可。

 

Ritchy、D-Linの製品版は、バージョン1.9.0正式版の発表後にリリース予定です。ぜひご期待ください。

 

新機能へのアクセス方法

Synthesizer V Studioと歌声データベースのベータ版は、別々にリリースされます。

 

Synthesizer V Studio 1.9.0b1について

1.9.0b1はベータ版です。ベータ版では、Synthesizer V Studioに実装予定の新機能をいち早くご試用いただくことができます。本バージョンのご利用を開始する前に、以下の点についてご理解ください。

 

  • 本バージョンは開発途中であることをご理解の上ご利用ください。
  • 本バージョンは環境などにより正しく機能しない可能性があります。
  • 本プログラムのご利用に際し、予期せぬ不具合が発生する可能性がありますので予めご了承ください。

 

これまでのバージョンでは、すべてのノートがSynthesizer Vのテーマカラーで表示されていました。1.9.0b1では、実験的な試みとして「マニュアル」、「歌唱」、「ラップ」モードのノートに異なる色を割り当てています。こういった色分けの表示が視覚的な面でわかりやすい、もしくは邪魔になるなど、ぜひご意見をお寄せください。Dreamtonicsでは、ユーザー体験の向上につながる取り組みを今後も続けてまいります。

 

1.9.0b1はこちらからダウンロードできます。

1.9.0b2のリリースに伴い、1.9.0b1の公開は終了いたしました。

 

Synthesizer V Studio 1.9.0b1における歌声データベースのアップデートについて

今回のベータ版リリースには広範囲な変更が含まれるため、まずはDreamtonics社製の歌声データベースを対象としたベータ版アップデートを提供します。

 

An Xiao(アン・シャオ)、Cheng Xiao、Cong Zheng、Feng Yi(フォン・イー)、Kevin、Mai、Mo Chen(モー・チェン)、Natalie、Ninezero、Ryo AI、Saki AI、Qing Su(チン・スー)、Weina、Xuan Yu、Yuma

 

それぞれの歌声データベースはこちらからダウンロードできます。

1.9.0b2のリリースに伴い、1.9.0b1向けの歌声データベースの公開は終了いたしました。

 

他社製品のアップデートについては、後日発表予定です。

 

ラップに対応した新たな歌声データベースの機能限定版ダウンロードについて

Ritchy、D-Linの機能限定版は、こちらからダウンロードできます。

 

詳しいリリースノートは以下をご覧ください。


Synthesizer V Studio 1.9.0b1 (2023年4月18日)

新機能

  • 自動処理:ラップ歌唱に対応しました(現時点では英語と中国語のみ)。AIピッチ生成モデルを更新し、歌唱を制御するオプションも追加しました。(ラップ対応の歌声データベースが必要です)
  • Synthesizer V エンジン:広東語のサポートを追加しました(歌声データベースの更新が必要です)。
  • ノートプロパティパネル:アクセント(中国語のみ)、ラップノートのイントネーション、トーンを追加しました。
  • ノートプロパティパネル:歌唱モード選択時にノートの「ビブラートの強度」が調整できるようになりました。(Pro版のみ)。
  • パラメータパネル:「ラップイントネーション」を編集、表示できるようになりました。
  • 歌声パネル:「ビブラートの強度」のデフォルト値と「アタック・リリースの自動調整」の有効、無効を追加できるようにしました(Pro版のみ)。

機能強化

  • ノートプロパティパネル:プロジェクト全体で動作していた簡易ピッチモードをノートプロパティの「ピッチモード」のオプションとして再設計し、より細かく調整できるようになりました。
  • パラメータパネル:「ビブラートエンベロープ」パラメータがAI生成ピッチにも適用されるようになりました(Pro版のみ)。
  • Synthesizer V エンジン:多言語歌声合成の発音を改善しました(歌声データベースの更新が必要です)。

動作変更

  • プラグイン:ピアノロールでキーボードを押した際の音を現在のトラックに対応するチャンネルでのみ再生するようになりました。

バグ修正

  • 自動処理:簡易ピッチモードでテンポを編集した後にピッチが再計算されないバグを修正しました(現在は「歌唱」モードで対応)。
  • レンダリングパネル:バウンス時に僅かにオーディオトラックのタイミングがズレる不具合を修正しました。
  • トラック:新しく作成されたトラックの名前がUIの表示言語に応じて翻訳されないバグを修正しました。

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